1990-01-29から1日間の記事一覧

二章

第二章「ん……」 それは真っ暗な部屋に小さな明かりが灯るかのように、宙をさまよっていた亮の意識はゆっくりと覚醒した。 あれ、寝ちまったか…… 身を起こして立ち上がる。梅か桜か、淡い赤の花が描かれた襖を開き、隣の部屋の障子張りの襖の隙間から見れば空…