1990-01-28から1日間の記事一覧

三章

第三章 亮は転ばぬよう最低限の注意ははらい、しかし決して加減の色は見て取れぬほどの限りなく全速力に近い速度で石段を駆け下りていた。もともと拷問の類ではないかと疑うほどに長く、かつ急勾配を誇る石段だ。しかも山道の石段にありがちな足場の狭さを忠…