カルマの坂

朝。 通りに人があふれ始め、あちこちの店が開くころ。 市場を少し入ったところにある裏通りを僕は走っていた。 左手にはくすねてきたパンの束が入った紙袋を抱え、右手に持った食べかけのパンを乱暴に食いちぎる。ふと振り返れば、重たそうに突き出た腹を大…