1990-04-24から1日間の記事一覧

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‡ 足どりは酷く重く、一つずつの歩幅も小さい。それでも、亮は進んでいた。 一歩、社の庭に敷かれた玉砂利を踏みしめるたびに、月影の下うっすらと夜闇に浮かび上がる鳥居が近づいてくる。 少女の背中が消えていくのを見送った亮は、そのまま指定された部屋…